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コラム
東京理科大学2013年の数学
設問 等式$x^2-6xy+12y^2=1$を満たす正の実数$x$, $y$を考える.
$z=x+3y$の$z$の最大値とそのときの $x$, $y$の値を求めよ.
(東京理科大・工(13)改題)
数学1の知識範囲での解き方
(1)与式に$x=z-3y$を代入して$y$,$z$の式にする.すなわち
\[ {\left( z-3y \right)} ^2-6\left( z-3y \right) y+12y^2=1 \notag \]よって
\[ 39y^2-12zy+z^2-1=0 \]上式を$y$の二次方程式と考えると,$y$が実数解を持つためには上式の判別式$D$が正でなければならない.すなわち
\[ D/4=-3z^2+39 \geqq 0 \notag \]より
\[ -\sqrt{13} \leqq z \leqq \sqrt{13} \]$z=\sqrt{13}$において$x$,$y$が正の実数であればそれが正解である.
事実,$z=\sqrt{13}$を(1)に代入すると$x=\frac{7}{\sqrt{13}}$,$y=\frac{2}{\sqrt{13}}$が得られる.
ただしこの方法は少し強引である.なぜなら先ほどの$y$に対する実数解を求めるとき,判別式が正であることは$y$が実数解を持つ条件であり,$y$の値が正をとることまでは保証しないからである.すなわちこの解法はたまたまうまくいったまでである.
この問題を回避するためには,(1)式を$y$の二次式と考えたとき,その軸が正であるとの条件をつければ良い.すなわち
\[ f(y)=39y^2-12zy+z^2-1 \notag \]より
\[ f(y)=39 {\left(y-\frac{6}{39}z \right)}^2 +\cdots \notag \]これより$z > 0$のとき,$y$の解の少なくとも1つは正であるといえる.だから判別式の条件を用いて$z$の最大値が$\sqrt{13}$と仮定して$x$を求めることができるが,やはり$x$がたまたま正であったということであり,少し心もとない.
ではどうするか?もしこの解法で厳密にこの問題に向き合うのであれば,先ほど$y$について行った操作を$x$についても行うのである.それで$x$, $y$がどちらも正であるという条件のもとで$z$の最大値が$\sqrt{13}$であるとしたら完璧であるが,結構大変である.
数学3の知識範囲での解き方
もう一度,最初の$x$と$y$の拘束条件を決める式を眺めてみる.$xy$の項を除くと,これは楕円の式だとわかる.詳述しないが$x=x' \cos {\theta}- y' \sin {\theta}, y=x' \sin {\theta}+ y' \cos {\theta} $の座標の回転変換で$xy$の項を消すことができる.腕試しにやってみるとよい.
グラフ作成ソフトで描かせると $x^2-6xy+12y^2=1$は
となる.
$z=x+3y$の$z$の最大値は$y=-x/3+z/3$より,下図の第一象限($x, y >0$より)青色の直線の切片が$z/3$となる.
さて$x^2-6xy+12y^2=1$を全微分する.すなわち
\[ 2xdx-6ydx-6xdy+24ydy=0 \notag \]よって傾きは
\[ \frac{dy}{dx}=\frac{2x-6y}{6x-24y}=-\frac{1}{3} \notag \]これより$x=\frac{2y}{7}$を得る.これを最初の等式に代入すると
\[ {\left( \frac{7}{2}y \right) }^2-6 \times \frac{7}{2} y^2+12y^2=1 \notag \]これより$x=7/\sqrt{13}$,$y=2/\sqrt{13}$,$z=\sqrt{13}$を得る.